適切な塩分摂取について

塩分 1日の適切な摂取量とは?控えれば健康に良いというわけではない

やみくもに減塩すれば健康になれるわけではない

塩分の取りすぎは体に良くない、というのは誰しもが知っていることです。
取り過ぎは良くないと分かっていてもついつい濃い味を求めてしまうという人は少なくありません。

 

しかし、本当に減塩すれば健康になれるのでしょうか?

 

結論から言えば、減塩すればするほど体に良いというわけではありません。

 

各機関が推奨する一日辺りの食塩摂取量と日本人の平均摂取量

 

1日当たりの塩分摂取量の推奨値は各機関により異なります。
最も厳しく設定しているのは、WHO(世界保健機構)で1日の塩分摂取は5gに抑えることが推奨されています。

 

次に日本高血圧学会の6g、厚生労働省は男性8g、女性7gとしています。

 

そして2015年時点での日本人の一日の平均摂取量は男性10.9g、女性9.2gとなっていて各機関の定める推奨値を超えている状態です。

 

長寿の地域の食塩摂取量は?

 

現在都道府県別にみて最も平均寿命が高い地域は長野県です。
2012年時点での長野県の食塩摂取量は男性12.6g、女性11.1gと平均を少し上回っており決して食塩の摂取量が少ないわけではありません。

 

このデータは各機関の定める食塩摂取量を守ることがそのまま健康に直結するわけではないことを表しています。

 

とはいえ昭和30年代には長野県の食塩摂取量は16gもあったそうで、その当時の平均寿命は全国的にみても最下位という状態でした。

 

16g→12gと減塩したことで、平均寿命は一気にトップになったということは、取り過ぎは良くないが、1桁まで減塩しなくても健康を維持できるということを示しています。

 

塩

 

塩分を控えたほうが良い人

 

各機関が食塩摂取を6g前後に設定しているのは、それなりの根拠があってのことです。
それは食塩を摂取することで血圧が上がってしまう人がいるからです。

 

どのような人が該当するかといえば、腎臓に病気がある人や検査などで腎機能の数値が悪い人です。腎臓の濾過機能に問題があると体内の塩分(ナトリウム)を尿中に排泄できず、高血圧を招きます。

 

健康な腎臓は1日に食塩を10g取っても処理できますが、腎機能が低下している人は処理能力が落ちているので腎臓への負担を減らすために減塩する必要がある、ということになります。

 

また長野県の例をみても1日の食塩摂取量が15gに達すると健康に悪影響が出る可能性は高まります。

 

塩鮭に醤油をかけて食べてしまうような極端に濃い味が好きな人は注意が必要です。
このような人はスイカに塩をかけないと気が済まないとか、トマドのように味付けが必要無い食材にもドレッシングを使ってしまったりするので、素材の味だけで食べることを意識する必要があるでしょう。

 

他にも、胃がんはピロリ菌と塩分摂取過多が原因と言われています。
しかしピロリ菌は食道炎や食道がんを防ぐ働きをしているので、健康な状態なら除菌はしないほうがよいことが分かっています。

 

ピロリ菌がいても食塩の摂取を控えることで胃がんを防げます。
(ただしどの位に抑えればよいという数値は不明です)

 

食塩の害を防ぐ食事をする

 

長野県の人達が適度に食塩を摂取しつつ健康を維持できているのは、野菜やきのこの平均摂取量が高いことが挙げられます。

 

野菜やきのこには様々なファイトケミカルが含まれており、病気を防いだり治癒させる効果があります。
ファイトケミカル 野菜で病気を治す・予防する食事方法

 

また長野県は海に面していないにも関わらず海藻も全国平均以上を食べています。
日本人と海藻はとても相性が良く、海藻を食べることでファイトケミカルを摂り、腸内の善玉菌のエサにもなるといういいことづくめの食材でもあります。

 

カリウムを摂る

 

決定的なことは野菜や海草にはミネラルの一種であるカリウムが多く含まれるということです。
カリウムは腎臓にてナトリウム(塩分)を排泄する作用があるので、濃い味が好きな人は積極的に食べる必要があります。

 

カリウムは果物や豆類にも多く含まれるので、植物性の食品を積極的に食べることが塩分を体内に溜めこまないことにつながります。

 

精製塩はやめて天然塩を使用する

 

自宅で使用している塩が精製塩ならば天然塩に変えることをお勧めします。
精製塩とは99%がナトリウムに偏っている人工的な塩です。

 

天然塩は昔ながらの塩であり、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどが含まれています。
上記したようにカリウムにはナトリウムを排出する効果があり、血圧の上昇を防いでくれます。

 

塩分に対する誤解

 

健康番組などで「塩分を控えなさい」いう文句を頻繁に耳にすることで、塩分は体に良くないものと思ってしまう人もいるでしょう。
しかし、食塩に含まれるナトリウムは水と共に人間が生きていくのに欠かすことのできない栄養素です。

 

夏に水分ばかり取って塩分を摂取しないとナトリウムは汗と共に排出され、低ナトリウム血症を招くことになります。
夏場は特に塩分不足になりやすいので注意する必要があります。

 

また塩分摂取量が足りないと元気が出なくなります。

 

血圧も低ければいいというものではなく、低血圧は全身に必要な血液が行き渡っていないことを表します。
血圧が極端に低いことは高血圧と同様、あるいはそれ以上に心配な状態なのです。

 

自分の腎臓の状態や健康状態、食生活をもう一度見直して適切な塩分摂取量になっているか考えてみると良いでしょう。

 

腎臓が健康で植物性食品を十分に摂取できていれば、日本人の食塩摂取量の平均値である10g程度取っていても健康に問題は無いと言えるでしょう。

 

 

毎日食べる主食とおかずについて考えてみる