不妊と栄養素について

不妊に悩む人にお勧めの玄米食 不妊症 不妊と栄養素について

現代の男性不妊と女性不妊

出居貞義氏は大宮レディスクリニック院長を務め、不妊症を専門に研究しています。
(この記事は書籍『医師たちが認めた「玄米」のエビデンス』に基づいています)

 

出居氏は長年不妊を訴える患者さんを診察してきた結果、栄養不足が不妊の原因になっている人が多いということに気付きます。

 

不妊の原因調査によると、男性に原因がある場合が24%、女性が41%、男女共が24%、原因不明が11%ということです。

 

 

一見栄養状態が良いと思われる男性の精液の状態は昔から比べると悪化しているとのことです。

 

男性不妊の採血をしてみると、以下のような症状が多いそうです。

  1. タンパクの欠乏による血液濃縮や基礎代謝の低下
  2. インスリンの分泌によるメタボ
  3. ビール、酒、白米等を代謝するときにビタミンBや亜鉛を使ってしまう為に起こるそれらの欠乏

また男性は過労の状態で性行為を行うことも一因であり、疲れにくい体を作る為にも白米から玄米に変えることを勧めています。

 

 

女性の場合、卵巣を育てる顆粒膜細胞内膜の代謝メカニズムが栄養不足のために働かなくなることが原因としています。

 

妊婦

 

妊娠する為に必要な栄養を摂るには

 

飽食の時代といわれる現代でなぜこのような栄養不足が起こるのでしょうか?
出居氏は炭水化物の摂取量低下が原因だと言います。

 

米の消費が減り小麦の消費が増加傾向にあるということは、主食がパンや麺類になっていることを意味し、それが問題となっています。

白米vs強力粉vs玄米

白米とパンの原料となる強力粉を比べると強力粉のほうが栄養的には優れているそうです。
そして強力粉と玄米を比べると玄米はそれ以上に栄養価が高くなっています。

 

特に重要なことは妊娠に不可欠なビタミンEが玄米には非常に豊富に含まれているという点。
さらに食物繊維やナイアシンは女性の代謝を上げ冷え性を改善してくれます。

玄米と全粒粉

玄米と全粒粉を比べても玄米に優位性がありますが、ミネラルという点では全粒粉のほうが勝っているとのことです。
特にビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB3(ナイアシン)が玄米に多く、妊娠しやすい体質を作ります。

 

一方全粒粉にはミネラルが玄米以上に多く含まれているので、日常的にスポーなど汗を流す機会が多いひとにお勧めとのことです。
お勧めの全粒粉パン

 

不妊治療の鍵となる栄養成分

女性の鉄分不足が目立つようになっています。
最近の1日当たりの摂取量は6〜7mgだそうですが、必要量は8〜10mg、推奨量は10.5〜14mgということなので、大分足りないのが現状です。

 

鉄が足りないことによる代表的な症状は貧血ですが、貧血をおこしているときに出る症状は以下の通りです。

  • 朝なかなか起きられない
  • 階段がつらかったり息切れやドキドキがある
  • 月経中のイライラや落ち込み
  • 倦怠感、めまい、食欲不振
  • 肩こり、頭痛、偏頭痛
  • 寒い、冷える

貧血症状があると妊娠しづらく、仮に妊娠した場合、有効な陣痛がなかなか起きなかったり分娩後の弛緩出血や合併症などの危険があるとのことです。

 

鉄の摂取量が減ってしまった原因に、BSE(狂牛病)による牛肉離れや、鳥インフルエンザによる鶏肉離れ、東北地震の放射能汚染の影響による魚介類離れが挙げられています。

 

鉄は玄米に豊富に含まれるので玄米を3食食べるとそれだけで約4.7mgの摂取量となり肉を食べるのと変わらないそうです。
加えて青のり、ひじきなどを副食として食べると肉類を食べなくても鉄分が摂取できます。

 

また玄米に含まれるフィチン酸が鉄の吸収を阻害するという説がありますが、実際に調査してみると特にそのような事実は無いとのことです。

 

ただし個人差があり、胃酸の分泌能や、ビタミンCを摂ってない、タンパク質を含む食材と一緒に摂取したかどうかで変わってくるようです。

 

また余談として肉類を摂らない場合ビタミンB12不足が懸念されますが、マクロビオティック実践者を調査するとビタミンB12は全く不足していないということです。

 

これは海苔などの海藻類を沢山食べることでビタミンB12欠乏にならないのではないかと出居氏は推測しています。

亜鉛

精液や前立腺には高濃度に亜鉛が含まれており、精子を元気にする為に亜鉛は欠かすことのできないミネラルです。

 

また女性の不妊患者の血液中の亜鉛を調べると鉄同様に亜鉛も足りないことが多いとのことです。

 

亜鉛を豊富に含む食材として牡蠣(カキ)や牛もも肉などがありますが、これらを毎日食べるのは大変です。

 

そこで主食を玄米にすることで亜鉛の摂取量を増やすことができます。
主食の玄米に加えて亜鉛を含むおかずを摂ることで1日に必要な摂取量は簡単に補うことができます。

ビタミンB1

ビタミンB1は糖の代謝に使われるので精製された穀物や甘いジュース、お菓子など糖質を多く含む物を摂ると大きく消費されてしまいます。

 

ビタミンB1の不足は心臓や血管に負担をかけ、心不全や脚気(かっけ)の原因ともなるので十分摂取しておくことが必要です。

 

やはり主食を玄米にすることでビタミンB1の摂取量を増やすことができる上に消費を抑えることができます。

葉酸

葉酸はほうれん草やレバーなどに多く含まれています。

 

葉酸は遺伝子のDNAの合成やアミノ酸の代謝、タンパク質の合成に関与し、DNAのコピーを助ける補酵素としても働きます。

 

葉酸が不十分だと細胞の分裂や成長がうまくいかない可能性があります。
受精の際は細胞分裂が最も活発化するので葉酸は大量に消費され必要量も増加します。

 

このため妊娠、出産には欠かせないビタミン(ビタミンMまたはビタミンB9とも呼ばれる)となっています。

 

葉酸が足りないと流産、早産、先天異常、低体重出生児が生まれるリスクも高まってしまいます。

 

葉酸は熱に弱いためホウレン草は茹でると半分位に減ってしまいます。

 

食物から十分に葉酸が摂取できない場合はサプリメントで補う必要があると出居氏は述べています。

 

ただし安直にサプリメントに頼ることはやめたほうがよいでしょう。
最近葉酸のサプリメントが妊娠を考える女性に人気のようですが、食事で摂取することを最優先に考え、何らかの事情や海藻、野菜やレバーなどが苦手な人はサプリを使うようにしましょう。

 

こちら(⇒サプリメントの効果は?サプリの必要性と副作用等の危険性について)にも書きましたが、サプリメントは人工的なものなので、何が起こるか分からない危険な側面もあるのです。

 

葉酸は玄米や海藻、豆類、野菜にも含まれているので、野菜中心の食生活に適度にレバーなど肉類を加えるとよいでしょう。

 

鶏のレバーなどは非常に葉酸が多いですが、だからといってレバーばかり食べるとビタミンAの過剰摂取の可能性もあるので気をつけましょう。

 

 

主食にお勧めの玄米を手軽に食べる方法